場の酷暑対策も進め、エネルギー使用量を抑制しながら適応策にも取り組みます。
製造現場の燃料転換や電化等の脱炭素製造技術は、製造品質を保つために2035年度まで十分に検証し、実装に移せる状態(脱炭素スタンバイ)を確立します。この過程で、革新的な省エネや脱炭素技術の発掘を目指します。2035年度以降は、①系統電力の価格および排出係数、②脱炭素燃料の価格および入手可能性、③炭素価格等の社会制度設計を踏まえて、脱炭素製造技術の実装を判断します。カーボンクレジットの購入よりも研究開発や設備投資を優先し、すべての取り組みを技術革新や事業伸長の機会と捉え、ステップ1と合わせて排出ゼロを目指します。
なお、2035年度以降の実装判断に用いる3つの要素に対しては、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)の供給力や性能の向上、原子力次世代革新炉の開発、CO2回収装置の低コスト化等を通じて、社会全体が最適となる環境整備に貢献します。
世界的な脱炭素モメンタムの中で、想定を上回る速さで石炭から天然ガスへの移行が進み、2023年度の排出量は、カーボンニュートラル宣言当時の想定を大きく下回りました。その後、北米を中心とした世界的な電力需要の増加が追い風となり、GTCCの販売が好調で、2025年度の排出量は1,160百万トンとなりました。
天然ガスを高効率で利用することで経済性と環境負荷低減を両立するGTCCは当社の主力製品です。GTCCのScope3カテゴリ11(製品使用)は、販売時点で30年間の生涯排出量を見積もって算定しており、当社のScope3の大半を占めています。当社は水素利用等の関連技術開発を着実に進めており、契約などに基づく明確な燃料転換計画がある場合はこれを反映しますが、水素等への燃料転換時期を現時点で合理的に見通すことは難しいため、現在は大半を天然ガス利用として計算しています。Scope3は算定条件により大きく結果が左右されるほか、自社の統制が及ばない要素も含まれることから、経営指標としては一定の限界があります。
世界のCO2排出量が増え続けている現状では、自社の「排出」を減らすだけではなく、自社の製品やサービスによるCO2の「削減」や「除去」、気候変動への「適応」も重要です。当社では、従来の開示を維持しつつ、当社独自の基準で計算した毎年の排出状況、削減・除去・適
当社三原製作所(広島県)では、太陽光発電設備の導入や省エネ化、MACカーブ等の脱炭素推進基盤の確立等、多岐にわたる取り組みを着実に進めてきました。当社グループにおける脱炭素のロールモデル工場として、そのノウハウをグループ全体に横展開しています。2025年度には、新規移行計画のステップ1(省エネの徹底)に対応し、新たな省エネ技術を獲得するため、太陽熱と蒸気生成ヒートポンプを用いた「脱炭素熱供給実証システム」を構築しました。また、ステップ2(脱炭素製造技術の実装)のロールモデルとして、新交通システム車両の塗装乾燥工程の水素燃料化に着手します。塗装条件を幅広く設定して検証し、他製品の塗装乾燥における脱炭素製造技術の検証にも応用します。気候変動への適応策としては、多くの工場の課題である酷暑対策に先行して取り組み、環境計測、対策のシミュレーションと実行、効果測定を進め、酷暑対策診断ノウハウをモデル化するなど、酷暑対策の知見収集および発信拠点として機能しています。
| (百万ton-CO2) | 2019 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2030 | 2040 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 実績値 | 1,366;(百万ton-CO2) | 1,237 | 850 | 882 | 1,160 | ||
| 連結売上収益(兆円) | 4.04 | 4.20 | 4.66 | 5.03 | 4.97 |