▍Special Feature ITOの実践
「領域拡大」とは、「桁違いのスケール化」と「新たな価値創造」を実現する取り組みです。その実現には、社会や市場の変化を先取りし、将来のニーズを見据えた事業展開が鍵となります。
当社グループでは2018年からMHI FUTURE STREAM活動を継続しており、変化の中でも変わらない大きな流れを捉えながら、メガトレンドの洞察、事業機会の探索、破壊的技術の発掘を進めています。
また、この活動を通じて将来の顧客ニーズを予測し、その中から共通する要求である「固」と個別の要求である「変」の見極めも行っています。「固」の部分を標準化し、「変」の部分を柔軟に組み合わせることで、多様なニーズへの対応力向上につなげています。
さらに、新たな価値創造や桁違いのスケール化を実現するためには、自社の既存技術だけでなく、異分野の技術や知見を積極的に取り込むことも重要です。当社グループでは、ライセンスやパートナリングを活用しながら社内外の組織やパートナーと連携し、新たなソリューションの創出を目指しています。
これらの取り組みにより、将来の社会課題や顧客ニーズの変化を先取りし、新たな事業機会の創出と価値創造を実現します。
各事業における縦の全体最適を実現するための具体的なアプローチとして、「リードタイム短縮」と「スループット向上」に取り組んでいます。特に近年は、受注残高が著しく増加しており、受注した案件を着実に遂行することが重要であり、しっかりと生産し、お客様に届け、稼働させることが不可欠です。
リードタイムの短縮は単なる効率化ではなく、売上および利益の向上に直結します。リードタイムを短縮できれば、同じリソースでより多くの製品を提供できるため、スループットを大きく高めることが可能となります。また、限られたリソースでより多くの商談や受注案件へ対応できるようになり、機会損失の低減にもつながります。
その実現には、まず工程全体の流れを可視化し、どこに時間が使われているのかを把握することが必要です。当社グループでは、Value Stream Mapping(VSM)を活用して設計・調達・製造・検査などの一連の工程を俯瞰し、付加価値活動と非付加価値活動を整理しています。また、動画解析などのデジタル技術を用いて現場作業を可視化するとともに、シミュレーション技術を活用してボトルネックとなっている工程やその改善効果を分析しています。
こうした分析をもとに、待ち時間や作業のやり直し、モノ・人の移動や情報伝達に伴う停滞などの非付加価値時間の削減と、自動化や標準化、作業手順の改善による付加価値作業の効率化に取り組んでいます。これにより、バリューチェーン全体の流れを加速させ、リードタイム短縮とスループット向上を実現します。
リードタイム短縮とスループット向上により全体最適を実現するためには、部門や工程ごとに分散したデータを横断的に活用し、迅速かつ的確な意思決定を行うことが重要です。
当社グループでは、部門や事業を横断した情報活用による業務改革を進めています。例えばグローバル購買情報の統合による支出の見える化やリージョンごとの集中購買の推進に加え、物流情報の可視化による効率的な輸送方法の検討や輸送遅延リスクの早期把握に取り組んでいます。さらに、取り組みをバリューチェーン全体へ横展開するため、全社共通のデータ分析基盤の構築を進めています。
この全社共通のデータ分析基盤に、調達情報、財務情報、人事情報などさまざまなデータを集約し、適切なアクセス権限の下で必要な人が必要な情報へ迅速にアクセスできる仕組みを構築することで、従来は部門ごとに管理されていた情報を横断的に可視化し、データに基づく迅速な意思決定を可能とすることを目指しています。
今後は、この基盤を活用しながらデータや業務プロセスの標準化・共通化を進め、事業や組織の枠を超えた情報の活用により、バリューチェーン全体の最適化につなげていきます。