当社グループは、事業活動で排出されるCO 2を含む温室効果ガスの削減に向けて、気候変動の影響に適応するためのさまざまな活動を進めています。2025年度の主な取り組みは以下のとおりです。
▍太陽光発電設備による電力の非化石化再生可能エネルギーの導入により、事業拠点の電力使用を通じたCO 2を含む温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。
当社グループの脱炭素ロールモデル工場である三原製作所和田沖工場(広島県)の未利用地(14万m2)を活用した太陽光発電設備は年間を通じて順調に稼働し、同製作所で使用するすべての電力を非化石化し、年間約1万トンのCO 2を削減しています(詳細はP59をご参照)。
▍製品・サービスの提供を通じた気候変動への対応米国ジョージア・パワー社と連携し、マクドノフ・アトキンソン発電所においてM501GAC形ガスタービンを用いた水素50%混焼の実証試験に成功しました。天然ガス100%焚きと比較してCO 2排出量を約22%削減できることが実証されています。また、関西電力姫路第二発電所に新設したCO 2回収パイロットプラントが本格稼働し、次世代CO 2回収技術の開発を推進しています。
ハイデルベルク・マテリアルズ社からは英国初のセメント工場向けCO 2回収プラントをウォーリー社と共同受注しました。本プロジェクトは当社独自のCO 2回収技術「Advanced KM CDR Process™」を欧州で初めて採用しました。2029年の運転開始を予定しており、ペイズウッドセメント工場から年間約80万トンのCO 2を回収する計画としています。
当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」やOECD「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に則り、「負の影響の特定・評価」、「負の影響の防止・軽減」、「取り組みの実効性の評価」、「説明・情報開示」のプロセスに沿って、継続的に人権デューデリジェンスを実施しています。2025年度の主な取り組みは以下のとおりです。
▍強制労働外部法律事務所の支援を受け、バリューチェーン上の強制労働に関する他社事例の調査を行い、人権専門部会やサステナビリティ委員会にて共有することで、当社グループ内のリスク認識および対応力の向上を図りました。
▍外国人労働者の労働環境当社グループの日本国内拠点において外国人技能実習生を新たに受け入れる際の社内ルールを整備し、運用を開始しました。新たなルールでは、チェックリストを用いて、仲介業者への法外な手数料支払がないか等の留意事項を確認することで、人権リスクの低減を図っています。運用開始時点で既に外国人技能実習生を受け入れ中の国内グループ会社2社においては、遡及チェックを行い、適正であることを確認しました。
▍土地収奪や汚染等による住民移転、コミュニティへの影響外部専門家の支援を受け、先住民族の権利侵害に関する近時の動向や他社事例等の調査を行い、当社グループ内のリスク認識および対応力向上を図りました。また、先住民族が所有・利用する土地の分布を地図上にまとめた外部データベースを参照し、当社グループの主要な進行中プロジェクトについて確認を行った結果、先住民族の土地に該当するものは確認されませんでした。
社会貢献活動においては、「次世代育成」を重点分野の1つとして推進しています。ここでは、代表的な取り組み事例の1つを紹介します。
当社グループは2020年、社会課題を解決する技術を核としたイノベーション拠点として、Yokohama Hardtech Hub(YHH)を神奈川県横浜市に設立しました。YHHは、スタートアップや教育・研究機関等の多様なステークホルダーと連携し新産業の創出を推進するとともに、人材育成活動にも取り組んでいます。
YHHが注力する人材育成には、2つの柱があります。第1の柱は、共創活動を担うリーダーの育成です。製造業の持続的な発展には、専門知識を横断的に統合し、多様なステークホルダー間の相互利益を生み出せる人材が不可欠であり、その需要はますます高まっています。第2の柱は、モノづくり技術の次世代への継承です。自動化・省人化が進む中においても、現場で培われた経験や知恵を伝え続けることが、産業の継続的な発展に寄与すると考えています。
2026年度からは、小中学生および高校生を対象とした出張授業や製造業の体験型学習に加え、教員などの教育関係者とも連携しながら、次世代のモノづくりを担う人材の育成に積極的に取り組んでいます。
▍小学校教員を対象とした講座の様子