複雑化する社会ニーズや環境課題の解決に向け、長年培ってきた技術力とプロジェクトマネジメント力を活かし、多様な製品・サービスの開発と事業展開を推進しています。GXの進展やDXによる効率化・自動化ニーズの高まりなど事業環境が大きく変化する中で、事業領域を超えた連携と総合力を発揮し、多様な社会課題や顧客ニーズに対応するソリューションを提供しています。さらに、パートナーとの連携やバリューチェーンの構築を通じて社会実装を加速し、新たな顧客価値の創出に取り組みます。
製鉄機械は、脱炭素化への対応として100%水素直接還元プラント「HYFOR®」の開発を推進するとともに、実証プラント建設を開始しました。また、大型電気炉の導入に不可欠な新電源システム「Active Power Feeder」の溶解試験を完了し、炉の運転の安定化を実証しました。これら独自技術の開発により、幅広い顧客ニーズに応えるために製品ラインアップの拡充を進めます。
機械システムは、モビリティ・試験装置分野および産業ソリューション分野に注力しています。モビリティ・試験装置分野では、自動運転車の社会実装に向けた合流支援などのインフラ技術や、モビリティ開発を支える各種試験設備の提供に取り組んでいます。産業ソリューション分野では、紙工機械をはじめとする自動化技術とDXの活用により、省人化・効率化を推進するとともにアフターサービスの拡充にも取り組んでいます。
エンジニアリングは、化学プラントでは新型コロナウイルス禍やウクライナ情勢の影響で停滞していた従来機種の商談は徐々に回復しており、当社はトルクメニスタン国営化学公社向け大規模アンモニア・尿素肥料製造プラントを受注しました。今後も、世界のプラント市場における競争力とプレゼンスの向上に努めるとともに、安全性と信頼性に優れたプラントの提供を通じて事業成長を追求します。交通システムでは、次世代新交通システム「Prismo®」の市場投入により、米国・アジア・中東を中心とした新設・延伸・更新需要を確実に取り込みます。さらに、納入済みシステムへの提案型営業を推進することで、O&M※1およびサービス案件の拡大を図り、収益基盤の強化につなげていきます。
商船は、フェリー、RORO船、官公庁船、特殊用途船など高機能・高付加価値船で培った設計・建造技術を強みに、国内インフラの維持・強化や経済安全保障に貢献する船舶を安定的に供給しています。今後は、建造能力の増強や建造工程の自動化・省人化による生産性向上を進め、建造体制を強化することで、多様化する社会・市場ニーズに対応していきます。また、自社建造を通じて省エネルギー・環境対応技術の開発を推進し、その成果をエンジニアリング事業へ展開することで、脱炭素化への貢献と事業領域の拡大を図り、持続的な成長を実現します。
環境設備は、人口減少に伴うごみ処理量減少や自治体の財政難を踏まえ、長期的に需要が見込まれる既存施設の延命・更新需要を確実に取り込みます。また、一般廃棄物と産業廃棄物を組み合わせた公民連携(自治体による産業廃棄物処理事業者への一般廃棄物処理委託)案件の拡大に対応します。さらに、ごみ焼却プラントの統合運用システム「MaiDAS®※2」によるO&Mの最適化を推進します。
CO2回収は、米国ではGTCCへのCO2回収技術の適用、英国・日本では政府補助案件が進展し、CCS※3の社会実装が本格化しています。こうした中、当社は英ハイデルベルク・マテリアルズ社向けに環境対策用途として初の大規模CO2回収プラントを受注したほか、トルクメニスタンの大規模アンモニア・尿素肥料製造プラントに併設する尿素増産用CO2回収装置も受注しています。今後は、これら案件の着実な遂行に加え、当社グループの製品・技術とのインテグレーションを一層推進することでさらなる事業成長を目指します。
※1 O&M: Operations and Maintenance ※2 MaiDAS®: MHIEC AI Data Analysis System ※3 CCS: Carbon dioxide Capture and Storage
▍次世代地熱発電向けORCの拡販当社グループは、次世代地熱発電市場において、ORC※設備の拡販を加速しています。2025年10月、米国Fervo Energy社がユタ州で推進する次世代地熱発電プロジェクト「ケープステーション」でORC設備を連続受注し、2026年4月には同社プロジェクト向けに最大35基のORC設備を供給するフレームワーク契約を締結しました。これにより、Fervo Energy社の複数プロジェクトへの安定供給体制を構築するとともに、当社グループのインテグレーション技術とのシナジーを活用したソリューション提案により、適用領域の拡大と競争力強化を推進しています。
ORC技術は、従来の蒸気タービンと同様の原理で、高分子有機媒体を蒸発させて利用する点が特長です。タービンの低回転化を実現し、高信頼性と部材劣化の低減によりクリーンかつ安定した発電を可能にします。当社グループは、ORCシステムを、地熱発電をはじめ廃熱回収、バイオマス、太陽熱など幅広い分野に応用し、世界規模でのエナジートランジションの実現に貢献します。
※ ORC: Organic Rankine Cycle( 有機ランキンサイクル) ▍次世代地熱プロジェクト 現地に建設中のORC設備