2025年度の三菱重工グループの業績は、事業利益、当期利益およびフリー・キャッシュ・フローのいずれも過去最高を更新しました。お客様が求める価値を的確に捉えた製品やサービスの提供による顧客価値の創出と、これによる高利益体質への転換が着実に進んでいることを示す結果と評価しています。
受注高は7.7兆円と過去最高水準となりました。世界的なエネルギー安全保障や防衛力強化、社会インフラの強靭化に対するニーズの高まりなど、事業環境の変化が追い風となっていることもありますが、これほどの規模のご注文を頂けたことは我々の製品やサービスに対するお客様の期待と評価の表れであり、将来にわたる成長ポテンシャルを示すものと受け止めています。
事業利益については、伸長事業と位置付けるGTCC、原子力、防衛における売上収益の増加と利益率の改善が大きく寄与しています。フリー・キャッシュ・フローについては、前受金に加え、利益の増加に伴う営業キャッシュ・フローの増加により大きく改善しましたが、これには、運転資本効率とキャッシュ創出力を高めるために従来から取り組んできた、キャッシュ・コンバージョン・サイクルに着目した経営管理の取り組みも寄与したと考えています。
この結果、資本効率が改善し、「2024事業計画」で掲げたROE12%以上という目標についても、2025年度に12.2%を達成し、計画より1年前倒しで実現することができました。
| 2024年度(実績) | 2025年度(実績) | 2026年度(見通し) | |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 6.4兆円 | 7.7兆円 | 7.0兆円 |
| 売上収益 | 4.4兆円 | 5.0兆円 | 5.4兆円 |
| 事業利益率 | 8.1% | 8.7% | 10.0% |
| ROE | 10.7% | 12.2% | 12% |
| 総資産 | 6.7兆円 | 8.3兆円 | 7.8兆円 |
| 有利子負債 | 0.7兆円 | 0.5兆円 | ̶ |
| 資本 | 2.5兆円 | 3.2兆円 | 3.4兆円 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 3,427億円 | 8,934億円 | 6,000億円 |
| 総資産回転率 | 0.78 | 0.67 | 0.7 |
| D/Eレシオ | 0.26 | 0.16 | ̶ |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 35% | 37% | ̶ |
| 一株当たり配当金 | 23円 | 25円 | 29円 |
※ 2024年度(実績)および2025年度(実績)は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示または算出しています。また、2026年度(見通し)には、当社が2026年8月4日に公表した2026年度業績見通しの修正を反映しています。
現在、最も重要な課題の1つは、足元で過去最大となる14兆円超の受注残高を契約どおりに遂行し、売上・利益・キャッシュへと着実に転換していくことです。我々は、「ITO」(Innovative Total Optimization)で掲げる「全体最適」に基づき、全社一丸となってこの課題に取り組んでいます。
並行して、契約遂行のみならず将来成長を見据えた設備投資・M&Aや人的リソースの拡充、研究開発投資も進めていきます。投資判断に際しては、次の3つの規律を重視します。
※1 IRR: Internal Rate of Return(内部収益率)