中期経営計画「2024事業計画」の最終年度を迎え、ポートフォリオ経営の強化を通じた事業成長と収益力向上の両立に向けた施策が着実に進んでいます。その取り組みの1つ目である「伸長事業の着実な遂行」の領域では、需要の拡大を背景に受注が大きく伸びており、受注残高が大きな額となっています。三菱重工グループが今まさに問われているのは、事業遂行能力です。お客様との契約どおりに確実に生産し、遅滞なくお引き渡しする能力が試されています。リードタイムの短縮などで生産効率を高め、お客様との約束を守っていくことで、その成果が財務数値にも表れており、獲得した利益を成長投資の源泉としていきます。
2つ目の「成長領域の事業化推進」においては、データセンター関連事業とレジリエンス基盤領域を二本柱として位置付けています。データセンターはAI(人工知能)の普及に伴い、世界的に増設が進んでいます。三菱重工グループは、データセンターが必要とする発電システムや冷却システム、さらにエンジニアリングやエネルギーマネジメントのノウハウを加えた独自の価値を提供できる体制を整えています。主戦場と定める北米市場では、個別仕様で請負工事を行うのではなく、設備をモジュール化して「置くだけ」で稼働可能となるようなパッケージ型の展開を目指しています。取り組みの一環として、米国コンセントリック社に加え、ジョージア州アトランタに本社を置くクリティカル・コンポーネンツ社を買収しました。同社はデータセンターをはじめ、産業・医療分野において電力および冷却設備のメンテナンスやサービスを提供する会社です。この買収により、コンセントリック社とのシナジーも活かした全米のデータセンターのお客様へのサービス領域の拡大が可能となり、事業カバレッジと収益機会が大きく広がっています。
また、事業全般での領域拡大のドライブコンセプトとして新たに「レジリエンス基盤領域」という考え方を打ち出しました。近年、安全保障意識が高まるとともに、サプライチェーン寸断リスクなど、社会活動の機能不全につながる課題が顕在化してきています。こうした中で、顕在化したリスクによる影響を柔軟に受け止め、復元に向かう力を意味する「レジリエンス」に対するニーズが社会全体で高まっており、当社グループにとって大きな事業機会となることがはっきりしてきました。これまで培ってきた設計・製造技術、顧客、人材、そしてデジタル・AIといった「共通基盤」を各事業に適用し、その結果として事業を通じて得られた知見を再び共通基盤にフィードバックする好循環を築いており、これを活かして領域拡大を進めていきます。例えば、原子力発電所で発生する使用済燃料を安全に輸送・貯蔵するための容器であるキャスクの高い強靭性を、セキュ
▍重点領域
| 24事計達成に向けた取り組み | 事業 | 主要施策 |
|---|---|---|
| 1 伸長事業の着実な遂行+高利益体質の実現 | GTCC;原子力;防衛 | FIC※1立ち上げ;生産性向上;設備投資;人的リソースの拡充と育成 |
| 2 成長領域の事業化推進 | データセンター;レジリエンス基盤領域 | 事業化;高セキュリティニーズへの対応;S+3Eの実現 |
| 24事計達成に向けた取り組み | 事業 | 主要施策 |
|---|---|---|
| 3 事業競争力の強化 | エナジー※2;プラント・インフラ;インダストリアル・ソリューション※2;航空・防衛・宇宙※2 | 収益力向上とシナジー創出;サービスの高度化 |
※1 FIC: Factory Innovation Center ※2 上記以外の事業