三菱重工グループは、2021年にカーボンニュートラル宣言「MISSION NET ZERO」を発表して以来、サステナブルで安全・安心な社会の実現と当社グループの持続的成長を両立するための事業戦略と位置付けて取り組んできました。これまでの成果を踏まえ、脱炭素移行計画の精緻化や情報開示の充実により、MISSION NET ZERO を進化させていきます。
世界のエネルギー需要は増加傾向にあり、エネルギーの供給力確保と安定供給が課題となっています。また、地政学リスクの顕在化により、化石燃料の確保とこれに依存するリスクへの対応が交錯しています。世界のCO2排出量は増え続けており、気候変動の影響とみられる極端気象が各地に被害をもたらしています。
こうした背景から、脱炭素はエネルギーのS+3Eという原則に立ち戻り、現実的な手段を具体的かつ速やかに講じつつ、気候変動への適応も並行して進めることで、国・地域や業界・企業ごとの影響、対応、進捗の違いを乗り越えていく必要があります。
生産性向上等による省エネルギー(省エネ)で、2021年のカーボンニュートラル宣言当時の想定(基準年から△30%水準)を上回る排出削減(基準年から△40%水準)を実現しました。理論エネルギー量算定アプローチ※1とMACカーブ(CO2削減限界費用曲線)※2の全社展開が奏功し、2024年度からの増産局面においても排出量を十分に抑制し、2025年度は490千トン(基準年から△49%)となりました。
このような2021年からの取り組みの成果を踏まえ、「省エネの徹底」と「脱炭素製造技術の実装」の2つのステップで構成した移行計画を新たに策定しました。この移行計画では、2026年度以降に見込まれる一層の増産局面に対応しつつ、2040年度に排出ゼロの達成を目指します。
※1 正 味で必要な物理エネルギー量と実際の投入エネルギーを比較することで省エネを実現する手法。当社グループでは、設備や生産プロセスを類型化して分析モデルを構築し、省エネ効果の上積みに成果を上げている。
※2 CO2排出削減対策を、削減単位当たりの費用と削減量で示した図で、当社グループは脱炭素ロードマップとして主要な工場で作成(排出量ベースのカバー率93%)し、省エネ等の成果をグループ内で共有するツールとしても活用している。
これまでの取り組みを深化させ、2026年度以降の増産に伴うエネルギー使用量の増加を省エネ効果の上積みで相殺することで、2030年度の排出量は496千トン(基準年から△48%)でピークアウトし、2035年度に451千トンを目指します。直接排出については、売上収益100万円当たりの炭素強度を指標として追加し、2035年度には0.01トン/百万円まで引き下げます。さらに並行して製造現
| (千ton-CO2) | 2014 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2030 | 2035 | 2040 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 実績値 | 958 | 515(千ton-CO2) | 532 | 518 | 490 | |||
| 移行計画 | 496 | 451 | 407;排出ゼロ | |||||
| 連結売上収益(兆円) | 3.99 | 4.20 | 4.66 | 5.03 | 4.97 |
▍直接・間接排出の領域 ▍ステップ1 省エネの徹底(例)理論エネルギー量算定、ユーティリティ近代化、オンサイトPV導入、オフサイトフィジカルPPA(電力料金固定化)ステップ1の優先付け ▍ステップ2 脱炭素製造技術の開発・検証(例) CNTH※3三原/CN燃料利用技術検証他脱炭素スタンバイ MACカーブ完成対策の追加、MACの低減 ▍実装実装の判断
▍MACカーブ推進基盤=対策を優先付け、脱炭素製造技術の実装を判断社会全体としての最適となる投資を評価
▍バリューチェーン排出の領域製品・サービスの提供を通じて、社会の現実的な脱炭素移行に貢献
▍対策の優先付け、実装判断の前提となる社会課題
※3 CNTH: Carbon Neutral Transition HUB